「今のままでもやっていけるけど、この先もずっとこの職場でいいのかな」
そんなふうに考えたことはありませんか。
・大きな不満はないけれど、なんとなくモヤモヤする。
・転職を考えるほどのことなのか、自分でもわからない。
・周りが辞めていくのを見て、不安になる。

転職を考えるきっかけは、人によって違います。
職場の条件のこともあれば、セラピストとしての自分の将来や、結婚や出産のような生活の変化がきっかけになることもあります。
この記事では、療法士が転職を考えるきっかけになりやすいことを、3つの軸に分けて整理していきます。
この記事を読むと、こんなことがわかります。
・療法士が転職を考えるきっかけになる8つの視点
・転職するかどうか確認しておきたいポイント
・今の職場でできること
・転職するタイミング
当てはまる項目が見つかっても、すぐ動く必要はありません。
まずは「自分は転職を考えたほうがいいのか」が、はっきりするはずです。
【この記事を書いている人】
理学療法士歴15年以上。
キャリアアップのための転職と、ライフプランに合わせた転職、2回の経験があります。
この経験を通じて、ライフプランに合わせた職場の選び方を実感してきました。
転職を考えるきっかけになる8つの視点

転職を考える時に考えるポイントは、大きなカテゴリーが3つあり、細かく分けると8つの項目があります。
① 会社・組織に関して
・理念や方針が合わない
・給料が上がらない
・残業や休みの取りづらさが続いている
・人間関係や職場の雰囲気が合わない
② セラピストとして
・この職場で新しく学べることが思い浮かばない
・目指す方向と、今の職場で積める経験がずれている
・目標になる人が見当たらない
③ ライフプランの変化
・一人暮らしや結婚などのライフイベントをきっかけに、ライフプランが変わった・変わりそう

これらの8つの視点のどれか1つでも当てはまれば転職、という話ではありません。
ここからは、それぞれについて少し詳しく見ていきます。
① 会社・組織に関して
働く条件や環境そのものに、引っかかりを感じるときです。
理念や方針が合わない
仕事の価値観は、日々の判断や、患者さん・利用者さんへの向き合い方に直結します。
合わないまま働き続けると、毎日の業務そのものが負担になっていきます。
報酬改定や経営方針の見直しをきっかけに、職場の方向性が変わってしまうこともあります。
こんな状態なら、考えてみるタイミングです。
・会社の理念に共感できない
・自分のやりたいリハビリと、職場の方針が違う
・意見を伝えても、改善される見込みがない

特定の人との考え方の違いなのか、職場全体の方針なのかで、分けて考える必要があります。
給料が上がらない
昇給は、自分の評価だけでなく、職場の経営体力や将来性が表れる部分です。
今の生活だけでなく、数年後の生活設計にも関わります。
こんな状態なら、考えてみるタイミングです。
・数年間、昇給がほとんどない
・昇給の仕組み自体がはっきりしていない
・同じ経験年数の人と比べて、明らかに差がある
今いくらもらえるかよりも、この先どうなっていくのかという目で見てみてください。

上司や先輩の給与がいくらなのかを聞いてみると、おおよその今後の予測がしやすくなります。
残業や休みの取りづらさが続いている
残業や休みづらさは、それ自体が悪いわけではありません。
学びたくて残業を選ぶ人もいますし、同じ残業時間でも負担の感じ方は人それぞれです。
問題になるのは、自分の納得を超えて、生活や心身に無理がかかっているときです。
こんな状態が続いているなら、考えてみるタイミングです。
・毎日業務量が多く、苦痛を感じている
・休みを申し出るたびに気を使う
・残業が多く、生活に支障が出ている
・休みの日に仕事をしないといけない

残業が多くても、自分で納得して選んでいるなら、それは転職の理由になりません。
人間関係や職場の雰囲気が合わない
どれだけ条件が良くても、人間関係がつらいと長く続けるのは難しいものです。
しかも、自分の努力だけでは変えられないことが多い部分でもあります。
こんな状態なら、考えてみるタイミングです。
・特定の相手ではなく、職場全体の空気が合わない
・異動や配置換えで距離を取ることができない
・職場のことを考えると、体調や気持ちに影響が出る
心身に影響が出るほど続いているなら、我慢せずに環境を変えることを考えていいと思います。

② セラピストとして
今の職場ではなく、これからの自分に目を向けたときに出てくる引っかかりです。
この職場で新しく学べることが思い浮かばない
経験できる症例や分野が限られていると、身につく力の幅も狭くなります。
学びたい人を後押ししてくれるかどうかも、職場によって差が出るところです。
こんな状態なら、考えてみるタイミングです。
・この1年で新しく学んだことが、思い出せない
・研修や勉強会に参加しにくい雰囲気がある
・職場の中で学ぶ機会が、ほとんどない
これから新しく学べることが思い浮かばないなら、成長の環境として一度見直してみてください。

主体的に学ぶ姿勢が重要ですが、学べる環境にいる方がより成長することができます。
目指す方向と、今の職場で積める経験がずれている
同じ療法士でも、目指す方向は人それぞれです。
専門性を深めたいのか、幅広く経験したいのか、現場をまとめる立場を目指すのか。
急性期・回復期・生活期、訪問やデイなど、分野によって身につく経験も変わります。
こんな状態なら、考えてみるタイミングです。
・これから伸ばしたい力が、今の業務では身につかない
・興味のある分野に、今の職場では関われない
・役職や役割につながる道が見えない
方向がずれたままだと、時間をかけても目指す姿には近づけません。

自分の目標に合った場所を選ぶ方が、早く目標に到達できます。
目標になる人が見当たらない
目標になる先輩やロールモデルがいないと、自分がどう成長していけばいいかの見通しを持ちにくくなります。
周りの意識に合わせて、自分の基準も気づかないうちに下がってしまうこともあります。
こんな状態なら、考えてみるタイミングです。
・「こうなりたい」と思える人が職場にいない
・相談したいことを、相談できる相手がいない
・数年後の自分の姿が想像できない
見通しが持てないまま働き続けると、成長の方向を見失いやすくなります。
③ ライフプランの変化
人生には、さまざまなライフイベントがあります。
・一人暮らしを始める
・結婚、妊娠・出産
・子どもの入園・入学
・パートナーの転勤
・親の介護
・家の購入・売却
・引っ越し
・自分の体調の変化
こうしたライフイベントをきっかけに、生活スタイルや大切にしたいことが変わり、仕事に求める条件も変化することがあります。
自分の生活が変わることで、職場に求める条件の優先順位が変わっていきます。
これまで問題なかった通勤時間や勤務形態が、状況が変われば負担になることもあります。
逆に、生活に余裕ができて、次のステップに進みたくなることもあります。
こんな状態なら、考えてみるタイミングです。
・ライフイベントをきっかけに、今までの生活に変化があった
・職場に求める条件の優先順位に変化がある
・変化があったときに、融通をきかせてもらえる見込みがない
・働き方を変えたいのに、今の職場では選べる形がない
目安になるのは、生活の状況が変わったとき、あるいは変わりそうなときです。

この考え方については、こちらで詳しくお話ししています。

転職の前に、今の職場でできることはないか
引っかかることがあっても、それが必ず転職でしか解決できないとは限りません。
・部署や担当を変えてもらう
・勤務時間や働き方について相談してみる
・雇用形態を変える(時短やパートへの変更)
相談してみたら、思ったより融通がきくこともあります。
今の職場で解決できるなら、慣れた環境を手放さずに済みます。
反対に、相談しても変わらなかったときは、それも一つの答えです。
「言ってもどうにもならない」とわかったこと自体が、判断の材料になります。

一度上司に相談してみて、難しければ転職を考えてみましょう。
雇用形態を変えることを考えるなら、時短正社員とパートで何が変わるのかを知っておくと、相談するときに具体的に聞けます。

いつ転職する?
結論としては、悩んでいるなら今です。
自分が求めている条件の求人は、いつ出てくるのかわからないからです。
転職の求人は、欠員が出たタイミングで出ることがほとんどです。
・動きたい時期に、条件の合う求人が出るとは限らない
・逆に、動く気がないときに、気になる求人が出てくることもある
「モヤモヤする」と感じた今が、考えるタイミングだと思います。
いい時期を待っているうちに、気持ちも状況も変わっていきます。
とはいえ、感じたからといって、すぐ転職を決める必要はありません。
まずは、どんな求人があるのかを見てみるだけで十分です。
求人はいつ出るか読めないからこそ、普段から見ておくことが重要です。
見るだけなら、今の生活は何も変わりません。
実際に転職する気がなくても、求人を見ておくことをおすすめします。
自分が選べる選択肢が確実に広がります。

転職を考えるか迷ったときの、2つの判断基準

当てはまる項目があっても、それがすぐ転職を意味するわけではありません。
迷ったときに使える判断基準を2つ紹介します。
一時的なものか、続いているものか
忙しい時期や、特別な出来事のせいで感じていることなら、様子を見てもいいかもしれません。
でも、それが「いつものこと」として定着しているなら、環境自体を見直すきっかけになります。
職場の人を見てみる
給料、成長できるか、目標になる人がいるか。
これらは、今いる先輩たちの姿を見れば見えてくることが多いものです。
どんな経験を積んできた人がいるか、給与や役割はどうなっているか。
今の職場にいる人たちの姿は、数年後の自分の姿に近いことが多いからです。
まとめ

今回は、療法士が転職を考えるきっかけになりやすいことを、3つの軸・8つの視点で紹介しました。
・会社・組織のこと:理念、給料、残業や休みやすさ、人間関係
・セラピストとしての自分のこと:学べる環境、目指す方向、目標になる人
・ライフプランの変化:一人暮らし、結婚、妊娠・出産、育児、転勤、介護、体調の変化などのライフイベントによる変化
そして、迷ったときの判断基準が2つ。
・その状態は一時的なものか、続いているものか
・今の職場の先輩たちの姿は、数年後の自分に近いかどうか
どの項目に当てはまっても、それがすぐ転職を意味するわけではありません。
まずは今の職場で解決できないかを考えて、それでも難しいときに、次のステップを考えましょう。
大事なのは、自分が今どこに悩んでいるのかを、はっきりさせることです。
悩みの中身がわかると、それが今の職場で解決できることなのか、環境を変えないと難しいことなのかも見えてきます。
そして、こうした悩みを感じた今が、転職を考え始めるときです。
転職すると決めなくていいので、まずは求人を眺めてみることから始めてみてください。
求人を見ることで、知らなかった求人を見つけたり、今の職場との比較など、自分の視野を広げるのに役立ちます。
また、自分の転職がキャリアを軸にしたものなのか、ライフプランを軸にしたものなのか、一度整理してみるのもおすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事がお役に立てると嬉しいです。


